トルコ・シリアで大地震が起こりました。甚大な被害に胸が痛みます。私は今、毎週火曜夜のオンライン・アラビア語講座を受講していますが(NGCからは関口さんも)、講師はシリア難民のアハマドさんです。先週のクラスではシリアの被災状況を話してくれました。アハマドさん家族の故郷は甚大な被害を受けたアレッポです。幸い親族や知人は無事だったそうですが、マイナスまで冷え込む夜に野外で寝泊まりしているそうです(8日現在)。そもそもシリアは地震がほとんどない国で、建物の耐震処置は全くなされてなく、よって多くの建物が倒壊しました。しかし最も深刻なのは北西部の都市イドリブで、そこは難民も多く、しかし彼らはテントではなく、鉄骨の入っていないコンクリートで造られた即席建物に住んでいるため、多くの犠牲者が出ているそうです。さらに、イドリブ県はトルコが支援する反政府勢力が治めているため、シリア政府の救援は全く届いていないそうです。
ご承知の通り、私たちが見聞きする報道の殆どはトルコの状況で、日本(アメリカ側)の救援隊もトルコに派遣されています。しかし私は、こうしてシリア人からシリアの状況を聞いています。感慨深い気持ちになりました。アハマドさんは震災を経験する私たちにアドバイスを求めてきました。私はハッと気づきました。今回のオンライン・アラビア語講座も、その受講者の繋がりも、元はといえば2011.3.11東日本大震災ではありませんか。震災をとおして、想像だにしなかった新しい出会い、協力、新しい扉が開かれました。私はそのことをアハマドさんに伝えました。震災は苦難の極みです。しかし震災をとおして断絶に回復が生じ、政治が出来なかったこと、教会が出来なかったことが起こっていく、これが私たちの経験です。10年間岩手の震災復興に携わったあんちゃんが中東に遣わされています。思ってもいませんでしたが、あんちゃん岩手10年の経験、私たちの震災の経験が、これからかの地で益とされていくのです。