今年も会堂一階テラスに椅子を置きました。ご老人、親子、お友だちと、若いカップル、学生、ビジネスマン、外国の方、多くの方が座って、思い思いに桜を愛でて行かれました。お年寄りの方は、道の途中に座れる椅子があるのは小休止ができて良いようです。続けて小さなベンチでも置けたら良いなと思います。さて、桜の次は新緑ですね。キラキラ爽やかな新緑もとても気持ち良いです。そういえば最近、早朝に我が家の隣の雑木林から「ホー ホケキョ」と聞こえてきます。鶯の声で目覚めるなんて、東京に住んで初めてです。この季節、このご時世だからこそ、ふと木々や花々に目を向け、耳を澄まし、香りを吸い、春を味わいたいものです。
最近読んだ本の中に、なるほど、と思わされたエピソードがあったのでご紹介します。「幼稚園の子どもたちに話をする機会がありました。話が終わった時、『何か質問ありますか』と尋ねると、一人の男の子が真っ先に手を挙げ『人間って、どうして生きているのかなあ』と恥ずかしそうに質問しました。(中略)質問した子は、いたって真面目な顔で私の返事を待っています。答えを頭の中で探していたその時、『私、知っている』という声が聞こえました。見ると、前列に座っているちっちゃな女の子の笑顔が見えました。『えっ、知っているの?』、私の口から思わず出てしまいました。その子は大きくうなずいて、『うん、知っている』と言うのです。『そうかあ、じゃあ、皆に教えてくれる?』。その女の子は言いました。『人間はね、お花に水をあげるために生きているの』(他の子どもたちも、犬をお散歩につれていくために、小鳥に餌をあげるために生きているんだ、と続きました)」。筆者は「子どもたちが生きている『秘密』を教えてもらった」と結んでいました。「人間はね、お花に水をあげるために生きているの」どんな小さな存在にも丁寧に耳を傾け、応えて生きることの中に、生き甲斐は生まれてくるのですね。