月別アーカイブ: 10月 2022

中東短期宣教旅行記⑧

サルはきつかったですが、頑張りました。ジョギングをしてきて良かったです。立派な室内フットサル場で、メンバーは宣教師たちとニューシティーの若者たちです。この町にはニューシティーの人々に届いてく宣教師、クリスチャンワーカーが世界中から集まっていて、毎週金曜夜はサッカー好きの宣教師たちがゲームを楽しみながら交流をしています。私はこの光景を見ながら黙示録のみことばを思い起こしました。すべての国民、部族、民族が御座と子羊の前に立ち礼拝をささげている光景です(黙示録7:9)。この地には困難があります。しかし困難をとおして聖書のビジョンがこうして実現しているのです。感動しました。 3.短期宣教に牧師が参加すること あんちゃんの派遣教会の牧師であることは、参加の大きな後押しとなりました。また今年50歳となり、Comfort zone(快適な場)にとどまっていることを示され、沖へ漕ぎ出るチャレンジでした。共に宣教旅行をした3名のメンバーにも感謝です。毎朝のチームのデボーションタイムはかけがえのない時でした。チームリーダーの北谷緑さんは一番年下で紅一点でしたが、素晴らしいリーダーで、私は羊となり、緑の牧場に導いてもらいました。日頃リーダーの責任を負っている私にとって解放です。またアウェーでのタフな宣教は自分の弱さも浮き彫りになりました。私はその弱さをチームメンバーに吐露し、チームは時間を取って私のために祈ってくれました。短期宣教とはクリスチャンのエッセンスや魅力が前面に出る時です。なので、牧師が短期宣教(しかも海外の)に参加することは、原点に立ち返り、牧師としてオーバーホール、リフレッシュできる最良の機会だと思いました。普通の海外旅行よりも牧師としての英気が養われます。また中東短期宣教は日本人クリスチャンにとって「仕える宣教」の良き励ましになるとも思います。なんてったってフレンドリーですから。つづく

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中東短期宣教旅行記⑦

(3)学校での英語クラス 私たちは他の宣教団体が運営するニューシティーの子どもたち対象の学校で、低学年と高学年の2回の英語クラスを担当しました。学校に着いて驚いたのは、子どもたちの弾ける笑顔と無邪気さです。珍しい外国人訪問者であるのも相まってか、子どもたちはキャッキャと走り寄って来て次々にハイタッチ、一人の子と手を繋いでジャンプをすると、次々に同じことを求めてきます。こちらもテンションが上がります。みんなつぶらな瞳で可愛いです。私たちは子どもたちとゲームをし、振り付けのある英語の歌を教え、シンプルな救いの証をしました。 2階では高学年対象のヘアカットクラスとメイクアップクラスをしていました。運営する宣教師にメイクアップクラスを設けた理由を聞くと、イスラムでは4人まで妻帯が許されていて、しかし1人目の奥さんが綺麗にしていると2人目を持たなくなる、ゆえにメイクアップクラスを始めたそうです。因みに4人の妻とその家族を養うのはとても大変で、実際はほとんどが1人の妻だそうです。 学校はその宣教師1人で運営していて、奥様と2人の子どもとこの地で暮らしています。東アジアの大国の地下教会から遣わされてきました。宣教師は内戦前からニューシティーで宣教を始め、その頃は農業をしながら宣教をしていましたが、内戦が勃発するとこの地に移り、ニューシティーの難民の子どもたちへの学校を始めました。シンプルに目の前の必要に仕えながら宣教を続ける姿に感銘を受けました。教師は全員ニューシティーの人(難民)を雇い、1人はクリスチャンになりました。教師が足りないと言っていました。学校は毎朝8時から教師全員が集まって礼拝とミーティングから始まります。皆で聖書を分かち合うそうです。午前中は授業、午後は家庭訪問に行き、親との信頼関係構築に努めています。運営費の全ては母国の教会からの献金とのことでした。あの大国の地下教会からこのように宣教師が派遣されているのです。とても感動しました。つづく

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2022年10月16日 中東短期宣教旅行記⑥

アハマドは「イスラム教徒の5%が過激で、残りの95%は平和であることを分かってくれ」と念を押して言ってきました。実際に中東に来てそのことは納得できます。私は今回中東に来た理由を話しました。キリストは「律法の中心は神を愛し、隣人を愛すること」と教えているが私にとって中東の人々は隣人でなかった。なので、この機会に中東の人たちと隣人になりたいと思い、この旅の参加を決めた。そしたら東京の多くの友だちが応援してくれたのでこうして来ることができた(牧師であることは隠している)。アハマドは敬意を表してくれました。するとアハマドは「イエスが神の子であることをどうやって証明する?」と質問してきました。私は罪から話し、十字架と復活の意味、罪の身代わりは罪のない神の子に限ること、そして私の救いの証を話しました。アハマド&ヒアム夫妻はじっと耳を傾けてくれました。するとアハマドは「聖書の訳は何度も改訂され、様々な言語に翻訳されているので、原典から内容が変わってしまっているのでは? コーランは原典(古典アラビア語)のままで、他国語にも翻訳されていない」と言いました。しかし、であるから、コーランを読めるのは聖職者のみで、信者は聖職者の説教や解説からでしかコーランに触れることがでないのです。自ら聖典を確かめることはできません。ここにキリスト教とイスラム教の違いがあります。また私たちクリスチャンの原動力は神(キリスト)の愛です。 「わたしはあなたがたに新しい戒めを与えます。互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。」(ヨハネ13:34)。 しかしイスラム教徒の動機は異なるようです。宣教師のリーダーは「これがイスラム宣教の鍵である」と言いました。また目の前のケーキを例えにこう言いました。「イスラム教徒はケーキを知っているが、そのケーキが何でできているかはよく分かっていない。」つづく

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2022年10月9日 中東短期宣教旅行記⑤

彼女は「私は働くことが得意です」と答えるので精一杯でした。女性は結婚して働きながら子育てをしていく、その他に夢を描くような価値観はないのでしょう。するとそこへ長男(15才)が入って来たので、私は彼にも将来の夢を聞きました。彼は目を輝かせながら「算数の先生になりたい」と即答しました。やはり女の子とは違います。以前少しだけ算数に触れたことがあるそうです。しかし複雑な思いになります。彼は朝から晩までチーズ工場で働いていて学校には行けません。教育の大切さが身に沁みます。「あなたには将来と希望が広がっている」という聖書の価値観に基づく教育を受けることができたなら、どんなに素晴らしいことでしょう。すると、ニューシティーチームの宣教師の一人は元数学教師だというのです。可能性があります。 (2)アラビア語の先生たちとの交流 私たちは5名のアラビア語の先生たちと交流しました。彼らもニューシティーからの難民で、宣教師たちが賃金を払って月曜から金曜までアラビア語を教えてもらっています。一年間の学習により宣教師たちは通訳ができるほどアラビア語を習得していました。さて私たち日本チームは、5人の先生たちを讃岐うどん、いなり寿司、だし巻き卵でもてなしました(そんなに食べてくれませんでしたが)。食事の後はゲームで打ち解け、グループに分かれて交流の時を持ちました。私はエディーさんと二人の宣教師と一緒に、アハマド&ヒアム夫妻とお茶をしながら歓談しました。夫のアハマドは32歳で、美味しいのに不味い、奥さんのことが好きなのに嫌いと、真顔でシュールなジョークを言う落ち着いた男性です。妻のヒアムはお洒落で、いつも頭をヒジャブ(スカーフ)で綺麗に整えています。夫が話していると「あなたは言っていることとやっていることが違うわ」と突っ込みを入れてきます。夫妻には2人の子どもがいます。私たちはアハマド&ヒアム夫妻と二度にわたりじっくり会話を楽しみました。つづく  

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2022年10月2日 中東短期宣教旅行記④

翌日の家庭訪問は難民テント村でした。当初は水風船ヨーヨー釣りなどの子どもたち対象のイベントをする予定でしたが、大人の皆さんが早速私たちをテントに招き、とても甘いお茶でもてなしてくれたので歓談となりました。テントの中は質素ですが中東様式です。ベットマットのようなマットが壁に沿って敷かれ、その上に半身で寝そべり、枕状のクッションに肘をつき上半身を起こしてお茶を飲みます。感心したのは、どの家庭の子どもたちも進んで給仕をします。また家族全員が集まってきます。この一家は8年前に爆撃を逃れて16日間歩いてこの地に来ました。息子さん(現在のその家族の主)は当時の苦悩を話してくれて、昨夜も爆撃の悪夢にうなされたと言っていました。チームの知くんは、自身のいじめからの救いの証を語り、癒しの祈りを提案すると、素直に受け入れてくれたので祈りの時を持ちました。その後、私は彼に「苦難を通して得た大切なこととは何ですか?」と尋ねると、第一に家族、第二に友だち、第三は祖国愛だと答えました。私は「そのように受け取るあなたこそ大切であり、希望です」と言いました。 その後私たちは家族の皆さんに足湯とマッサージをして、とても喜んでくれました。別の日には車で1時間程離れた田園地帯のテント村にも行きました。水たばこの原料となるたばこ畑が果てしなく広がり、羊飼いが羊の群れを牧し、とてものどかな風景です。訪問した家庭は母子家庭で、生まれた長男の口が唇裂口蓋裂だったため夫は離婚したそうです。歓談の後、チームのエディーさんは足を痛めているお母さんのために癒しの祈りをし、私はたばこの葉の乾燥作業の合間に来てくれた娘さんに将来の夢を聞きました。彼女は少し答えあぐね、「私は働くことが得意です」と答えました。私は素晴らしいと言いましたが、もしかしたら、彼女たちは将来の夢を描くことは無いのかもしれません。「私は働くことが得意です」と答えるので精一杯だったのです。つづく

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